離婚の理由

離婚の理由は、いつも聞かれるところだが、ここが難しい。
わたしの理由と相手の理由は違うかも。
それに、相手もいる、相手にも自分にも家族もいる、子どももいるということで、自分の感情や記憶だけを口にすることに躊躇してしまうのだ。

「俺もさ、離婚理由聞かれるのよ、よく電車で」
「うん」
「まあ、ね、色々、あんのよ」
「うん」
「色々、あるのよって含み持たせた言い方、うまくなったよ」

色々あるのよ、というゴリさんの言葉からは、積み重ねた夫婦の、そりゃ幸せなことだけではなかったであろうだけど「相手のことは言わないよ、俺は言わない」という気持ちが伝わってきた。
だけど、友達の、半笑いを浮かべながらの「色々あんのよ」はステージ上でみても、切なかった。

「わたしはさあ、自分を知りました。離婚によって。自分の欠点。こんな気持ちになるんだとかね、こんな時に許せなくなるんだ、とかね」
「どんな?」
「わたしね、怒るのよ」
「青木さんが怒るのは、知ってるよ、全員知ってるわ」
「そう。だけどのべつまくなしに怒っているわけでもなくて、何故怒るかが、離婚や人と深く関わることで、わかってきたのです」
「なに?」
「わたしはさ、とにかくお節介、優しい、というか、相手にやりすぎてしまう。ええと、尽くすというかね」
「うん」
「だけど、だから相手から愛情や感謝をもっと欲しい、と思ってしまうわけだね」
「うん」
「その思いが溜まっていきまして、それを言葉にすることも苦手で、ふてくされたり怒ったりしてしまうわけです」

そう。わたしは、よくこのパターンに、なってしまう。自分を知るということは、客観的に自分を見ることができるわけで、自分の癖がわかる。癖がわかれば対策もできよう。(友人に勧められたエニアグラムの本もおすすめ)

「バツイチトークショー」は、爆笑もあれば、息を止めたくなるほど静かになる時間もあった。ゴリさんもわたしも、口を開かない時間もあった。

その微妙な空気感には、夫婦の、結婚の、難しさと、頑張ってたがこうなってしまった悲しさと、前を向こうというそれぞれの決意が、あったんだと思う。

ふと、一列目をみると、30代の女性はせっせとメモをとっていた。
どうぞ、わたし達のようにならないようがんばってくださいね。(別に幸せだけどね!)


青木さんの連載「48歳、おんな、今日のところは「●●」として」一覧

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ウチ、“断捨離”しました! | BS朝日
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