写真提供◎青木さん(以下すべて)
青木さやかさんの連載「49歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、49歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「初めて何かにハマりそうな人として」です。

前回「夏がストンと終わり、秋になった。そうだ、模様替えをしよう!ガラスの食器を漆に並べ替えてみる」はこちら

これは、誰だろう

今年の七月半ば。コロナ第七波で入院中に、わたしは決心した。

「綺麗になる」

そもそもわたしはあまり鏡を見ないのだが、入院中はひたすら鏡をみていた。何故なら、手洗いばかりしていたからだ。顔を上げると鏡があった。

「これは、誰だろう」

そこには、疲れ果てたおばさんがいた。油断しきったカラダと顔と表情。見ちゃいられない!と思いながら、メイクをしていない髪も数日洗っていない自身の姿を、凝視した。時には眼鏡をかけて凝視した。何事も、自分をよく知ることから、変化は始まるのだ。(苦し〜!)

退院後、体力の回復を待ってヨガの体験に行くことにした。
そういえば、娘が生まれる前に住んでいたマンションで知り合った同世代の友人は、いつも「今からヨガなの」と言っていた。今でもヨガに通っているという話をしていた。
わたしは思い立ち彼女に連絡し、聞いてみた。