(写真提供:青木さん)
青木さやかさんの連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。今回、「がん告知とがん手術」を経験した過去を明かします。

症状はまったくなかった

2017年8月。東大病院で肺腺がんの手術をしていただいた。

そこから遡ること3年前の2014年、人間ドックで肺に影があるとのことで再検査になった。再検査でもCTに写った数ミリの影は、がんとは判断がつかない。炎症かもしれないし肺炎の後かもしれない。大きくなったらがんの可能性が高いので、定期的にみていきましょう、となっていた。

3年経ち、大きくなってきた様子をみて、「がんの可能性が高いので手術をしては?」ということになった。ただしがんだったとしても、この大きさからすると命に関わるようなものではないと思われるから、まだ定期的に検査をしながら様子をみることもできた。しかし手術をすることにした。

理由は2つ。

定期検診をしていき、大きくなりました、今すぐ手術しましょう、となったとしたら仕事に迷惑をかけるだろうということ。
もう一つは、みつけてしまった以上、不安材料を体にしまいながら生活するのは性格的に向いていないな、と思ったからである。

肺がんというと、咳が出るとか胸が苦しいとか、そんなことがあるのかと思ったが、まったくなかった。