この記事の目次
〈症状〉けいれんだけでなく症状はさまざま 〈原因〉慢性の脳疾患。脳の電気のリズムが影響
〈治療〉投薬治療が基本。難治性のものは外科治療も
〈予防〉頭部への外傷を避ける。睡眠不足にも注意

〈治療〉投薬治療が基本。難治性のものは外科治療も

発作がてんかん発作なのか、他の疾患(心臓の不整脈など)の発作なのか。また、てんかんであればどのような発作なのかを正しく診断することが重要。診察の基本は問診ですが、家族の方が患者の発作を撮影したビデオを診察時に持参すると診断に役立ちます。
そして、「脳波検査」。

外来ではっきりしない場合は、入院して頂き「長時間ビデオ脳波検査」を行います。
そのほか、患者に合わせて「血液・尿検査」「CT検査」「MRI検査」などを行い、確定診断に結びつけます。

治療は薬物療法が原則。適切な診断に基づいて早期に薬物治療を行えば60~70%の人は発作が“消失”します。今日ではてんかんに使える薬は20種類以上もあり、さまざまな対応が可能。もちろん薬なので副作用はつき物ですが、どちらかといえば新薬のほうが副作用は少ないと考えられます。また、どのようなてんかん発作かということに加え、その人の合併症状により、より良い薬の選択も行います。

お子さんの場合はさまざまな予防接種が必要ですが、副反応の発熱によって発作が誘発されやすい場合には、入院して予防接種を受ける場合も。薬で発作を抑制できない難治性てんかんでは外科治療(手術)が行われています。

参考 兼本浩祐著『てんかん学ハンドブック』医学書院 2007年より 図:診断フローチャート