この記事の目次
〈症状〉けいれんだけでなく症状はさまざま 〈原因〉慢性の脳疾患。脳の電気のリズムが影響 〈治療〉投薬治療が基本。難治性のものは外科治療も
〈予防〉頭部への外傷を避ける。睡眠不足にも注意

〈予防〉頭部への外傷を避ける。睡眠不足にも注意

まずは、小さい時から外傷に注意しましょう。1歳以上30歳未満の死因の第1位は交通事故。車の運転、自転車の運転だけではなく、歩いている時にも交通ルールをきちんと守り、事故での頭への外傷を防ぐのが大事です。それから、「ゆさぶり症候群」はご存じでしょうか。乳幼児の場合は脳の成長が十分ではないので頭蓋骨と脳との間にまだまだゆとりが大きく、そこで泣き止まぬ赤ちゃんを大きくゆさぶってしまうと頭蓋骨と脳をつないでいる細い血管が引きちぎられ、ジワジワと出血が起きて血腫ができてしまいます。また、結果としててんかんを合併することもあるので、赤ちゃんを強くゆさぶるのはやめましょう。

これはてんかん患者の増える高齢者にもいえます。脳が萎縮し始めているので、やはり頭蓋骨と脳の間にゆとりができます。そこで頭部を打撲したりすると血管が傷つき急性硬膜下血腫を引き起こし、わずかな傷の場合は慢性硬膜下血腫を起こすことも。それがてんかんを合併することにもなるのです。

また、妊娠を予定している女性は赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症、脳瘤)の発症予防に、妊娠する1ヵ月前から妊娠12週まで十分に葉酸を摂取してください。てんかんの合併を防ぐことにもなります。最近は女性のダイエット志向が強く、栄養失調状態で、葉酸を十分に摂取できていないケースが多いのです。葉酸は1日0.4mg以上摂取しましょう。葉酸が多く含まれているのはイチゴ、栗、ブロッコリー、枝豆などです。

また、睡眠不足も原因になります。正常な方でも3日徹夜すると脳波異常が出現するという研究報告が。毎日6~8時間の睡眠は取るよう実践しましょう。