人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第11回は、「大腸がん」です。
(取材・文/渡辺勝敏〈読売新聞〉 撮影=本社写真部)
この記事の目次
〈症状〉便の色や形に注意。自己診断せず受診を
〈検査〉便潜血検査を必ず受けて。異常があれば内視鏡を 〈治療〉早期がんなら内視鏡で検査と同時に切除可能 〈予防〉確実な予防法はない。定期検査が一番有効

〈症状〉便の色や形に注意。自己診断せず受診を

乳がんに次いで女性に多いのが大腸がんです。よく見られる症状が血便で、早期がんの見つかるきっかけも、4ページの表のように血便が多いですね。がんが潰瘍となって出血し、その血液が暗赤色に変化して便の周りに付いたり、黒っぽい血液の塊が便の中に混ざったりして出てきます。

がんが肛門から遠い位置にあればあるほど、血液は黒っぽくなります。肛門から鮮血が出ると、痔だと思う方も多いのですが、がんが肛門の出口近くにできる直腸がんでも、ポタポタと鮮血が出てくることがあるので注意が必要です。

がんが大きくなると大腸を塞ぐため、2ヵ月から半年ぐらいかけて便が細くなることも。詰まりがちになる便を身体が押し出そうとした結果、便秘と下痢を繰り返す場合もあります。

さらにがんが大きくなると、腸閉塞を起こす可能性もあり、腹痛で受診・検査したらすでに腸閉塞、という患者さんも。異常に気づいたら、早めに検査を受けてください。

おならが多いとか、においがきついが大丈夫?などという質問を受けることがありますが、おならが出るのもにおいも問題はありません。血便や、便通の習慣が変わってくるのが注意信号です。