2022年10月29日は「世界脳卒中デー」です。2006年10月、南アフリカ共和国ケープタウンで開催された脳卒中国際会議で、国際脳卒中学会と世界脳卒中連盟が統合し、世界唯一の組織、世界脳卒中機構(World Stroke Organization, WSO)が結成されたことを記念し、毎年10月29日が「世界脳卒中デー(World Stroke Day)」に定められました。連載「女性の病気SOS」から、脳卒中の記事を再配信します。

**********
女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第12回は、「脳卒中」です。
(取材・文/渡辺勝敏〈読売新聞〉 撮影=本社写真部)
この記事の目次
〈症状〉体の片側の異変や激しい頭痛がサイン
〈原因〉高血圧と密接な関係が。くも膜下出血は30代でも 〈治療〉脳は損傷したら回復不可能。早期リハビリが決め手 〈予防〉血圧を管理し脳ドックで検査を

〈症状〉体の片側の異変や激しい頭痛がサイン

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称が脳卒中。共通する症状は片側の腕が上がらない、物がつかめない、しびれる、片側の足が重い、歩けない──といった片まひです。

バランスが悪くなって、体がふらついたりする場合もあります。ろれつが回らない、言葉が出てこない、理解できないという言葉の障害、飲み込めずにむせてしまう嚥下障害。受け答えの反応が遅くなったり、よだれが垂れたり、片方の目が急に見えにくくなったり、片側の人や物に気付かないといった、目や空間認知の障害が出ることも。

脳の広い範囲に影響が表れると、認知機能の障害が出て、意識が混濁してきます。呼びかけても反応が鈍い、いびきをかくといった症状であれば、重症です。一方、経験したことのないような激しい頭痛に襲われたら、くも膜下出血の可能性が。脳梗塞では頭痛は出ません。片まひが出たり、突然の激しい頭痛があったりした場合はまず病院へ行きましょう。重い症状の方は救急車が必要ですが、軽い場合は病院まで歩いて来る方もいます。

 

脳卒中の可能性がある主な症状