中村 足を骨折して、以前と同じように歩けなくなったとき、最初はちょっぴり落ち込みました。大好きだったお料理も、毎日せっせと励んでいたお掃除も、骨折する前とは同じようにできなくなってしまって……。

でも、そのおかげで、これまで家のことは何ひとつしなかった夫が家事を手伝ってくれるようになったんです。特に料理にはまって、毎日の朝食作りは彼の担当に。これはわが家の大革命! それもケガをしたおかげだと、神様に感謝しています。

 メイコさんはとても上手に年齢を重ねていらっしゃる。年齢とともに生じるさまざまな衰えも決してネガティブにとらえず、パワーの源にしておられるところが素晴らしいですね。

中村 もともと陽気な性格なものですから。もちろん、生きていれば、悲しいことやつらいこともありますよ。でも、ユーモア作家だった父が「悲劇は君に似合わんぞ。ユーモラスに生きていけ」と。その言葉を胸にとどめてきたので、この年齢になっても、常に楽しいことを見つけようという姿勢が自然と身についているのかもしれません。

 さすがです。メイコさんのように、いくつになっても豊かな人生を送るためには、「見る」「食べる」「遊ぶ」の3つの要素が不可欠です。「見る」のは目、「食べる」のは歯、「遊ぶ」ために必要なのは丈夫な骨――。「健康で楽しく長生き」するために欠かせない、この3つのパーツをきちんとケアして、一日でも長く、楽しい日々を過ごしていただきたいと思います。

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