◆捨てられる生活への憧れもあるけれど

ここ数年、世間では「片付け」や「断捨離」がブームですね。シンプルな生活を望む気持ちは、とてもよくわかるし、私だってできるものならそうしたかった(笑)!「生まれ変わったら医者になって、人の命を救えたらいいだろうなあ」くらいの夢のレベルで、「物を捨てられる生活っていいなあ」と憧れています。

本やぬいがないと潤いがなくなってしまうから、今さらそんな生活は考えられないとはいえ、この家はあまりに雑物だらけです。たとえば応接室の床に置いてある空き箱。「形がカワイイから捨てるな」と夫が言うのですが、空き箱ですよ? 普通は捨てるでしょう、これ。でもまあ私もカワイイと思っているので、こうしてとってあるわけですけども。(笑)

私が本を捨てられないのは、父の影響もあると思います。父は本を絶対に捨てない人で、自分専用の書庫も持っていたのですが、母は日頃からそんな父の行動を苦々しく思っていたのでしょうね。たとえば家を建て替える際、父は書庫を最優先に造って、しかもそこにだけエアコンを付けようとしたのです。そりゃあ母だってキレます、家族の快適さより本を大事にされたのだから。(笑)

父が書庫を増やすたび、母も張り合うようにしてキッチンを豪華に改装していきました。後年、父が寝込んでからは、復讐のように父の本を捨てるようになってしまったので、蔵書の中にはシリーズの1〜2巻だけが抜けているものもあります。20年以上前の本の1〜2巻を、今さら手に入れるのはほぼ不可能。やっぱり、本は捨ててはいかんのです。

とはいえ、私には本とぬい以外への執着は、まったくありません。夫はオシャレなので服にはいろいろこだわりがあるようですが、私は着ることができて清潔であればそれでいい。

加えて根が粗忽なので、食器は割れないものが一番。夫が趣味で集めている江戸時代のぐい飲みなんかも、「使うのはかまわない。でも絶対、私には洗わせるな!」と言っています。一番気に入っているのは「ワンカップ大関」のコップ。あれは丈夫でいいんですよ!(笑)