写真左は応接室のぬいたち。ソファに並ぶのは「へび」。ぬいぐるみは同じ種類どうしで集合しているそう

 

私は、ぬいは単なる物質ではなく「生き物」だと思っています。子どもの頃は彼らと会話をしていたし、旅行にも連れて行ったし、毎晩一緒に眠っていた。そこまでいったら、それはもう生き物でしょう? 生き物なんだから、生きている限り大事にしなくちゃダメなのです。

一方、本はお百姓さんにとっての農作物のようなものでしょうか。もともと育った家が、本に書き込みをしたりページを折り曲げたり、またいだりすることを許さない環境だったので、それは今も変わりません。本棚に逆さまに入っているだけでも落ち着かなくなります。でも、夫はページの端を折るんですよ。彼は「俺が金を出して買ったんだからいいだろう」と言いますが、私はすっごくイヤなのです。(笑)

 

◆“ぬい”は原則的に死なないから…

本は、今も月に20~30冊のペースで増えています。私はダブっている作品以外は処分することがないので、増えることはあっても、減ることはありません。いや、でも、本はいいのです。いくら増えても、いざとなったら古本屋に売ることもできますから。……やっぱり問題は“ぬい”だ!

そもそもここまでぬいが増えたのはなぜなのか。幼い頃からぬいぐるみは大好きでたくさん持っていたけれど、加速度的に増えたのは17歳で作家になってから。編集者が私を接待しようにも、未成年者を飲みには連れていけないでしょう。そこでぬいぐるみを手土産にする案が浮上したらしいのですが……。

それからです、編集者、ファン、友人、そして夫からのプレゼントにターボがかかったのは。好きだからいいのですが。