加藤茶さんの誕生日にレストランでお祝いをする茶さんと綾菜さん(写真提供:加藤綾菜さん)

自宅から通える地域内で一番受講料の安い学校を選んで、主人に「通ってもいい?」っていたら、「好きなことをすればいいよ」って。講義と実技を130時間受講したうえで筆記試験に合格する必要があると説明したら、「へぇ~」ってびっくりしてましたね。

 

綾ちゃんのためにも健康でいられるように頑張るね

実際、1日8時間の授業を週に2~3回受講するのはキツかったです。介護の基本を学びたいと思っただけなのに、奥が深すぎて……。寝たきりの人を力任せに持ち上げたりしたら、介護するほうもされるほうも骨折する恐れがあるとか、食事も食べさせ方を間違えると誤嚥性肺炎になって命を落とすこともあるとか、知れば知るほど介護って責任重大なんだなと思いました。

講義内容は、「人間と社会」「医療的ケア」や「心と体の仕組み」など。介護保険制度について学ぶこともできました。でも一番ためになったのは、介護を一人で担うのは難しいと知ったこと。

私の場合、主人に介護が必要になったとして、ヘルパーさんなどに頼ったら批判されてしまいそうですよね。だから当初は一人で介護できるようになりたかったんです。でも、妙な意地を張って共倒れになったら元も子もないんだとわかったので、今はもしものときには速やかにプロの力を借りようと決めています。

介護職員初任者研修の試験に合格したよ、とカトちゃんに伝えたら、「これで安心だ」とめちゃくちゃ喜んでくれました。そのうえで「綾ちゃんのためにも健康でいられるように頑張るね」と言ってくれたのです。このまま時間が止まればいいなと思いました。今の穏やかな暮らしが、本当に幸せだから。

主人と出会ったのは、私が短期大学に在学中の21歳のときでした。当時、アルバイトをしていた六本木の割烹料理屋さんにカトちゃんがやってきて、接客をしたのが馴れ初めです。その店のお客さんには女性に大人気のタレントさんもいましたが、私は誰を見てもときめくことはありませんでした。

なのにカトちゃんだけは、最初からめっちゃ輝いて見えて(笑)。別にオジサマ好きではなかったのに不思議ですね。お茶を出したときに優しい笑顔で「ありがとう」と言ってくれたのが嬉しくて、恋の魔法にかかってしまったのかもしれません。