「とん平さんと小野さんが物陰からフルーツの盛り合わせを持って現れて、「おめでとう!」って(笑)」

ホテルオークラのバーで初の二人きりのデート

それから何度も店に来てくれて、出会いから半年くらい経った頃に電話番号を書いたコースターを渡されたんです。その晩、ドキドキしながら電話をかけたら、すっごく話が弾んで。1時間くらい話したあとに「明日の朝、5時にデートしない?」って誘われました。

指定されたロイヤルホストへ行ったら、左とん平さん(2018年に他界)と小野ヤスシさん(12年に他界)も同席していたのでビックリ。昨夜の電話のあとに3人で合流して飲みに行ってから、今しがたまで麻雀をしていたと知って、「なんて元気なんだ!」って感動したのを覚えてます。

どうやらカトちゃんが「最近、気になる子がいて」って、とん平さんと小野さんに打ち明けたら、お二人が「そんな若い子、危ないよ」って心配してついて来たようで、その日、私は質問攻めに遭いました。「出身はどこですか?」とか、「どうして上京してきたんですか?」とか。カトちゃんは黙って聞いてましたね。

その後も4人で会ったり、たまに井上順さんが加わって5人で会ったりする状態が半年ほど続いたと思います。そんなある日、カトちゃんが「二人でデートしよう」と初めて誘ってくれたんです。

ホテルオークラのバーで「今日は僕の誕生日なんだけど、プレゼントはいらないからつきあってください」って申し込まれて、「はい」って即答した時、とん平さんと小野さんが物陰からフルーツの盛り合わせを持って現れて、「おめでとう!」って(笑)。えーっ! とか思ったけど、私、お二人に認められたんだなって、めちゃくちゃ嬉しかったです。

 

激しいバッシングに負けなかった理由

カトちゃんが自宅へ招いてくれたのは、正式に交際を始めて半年くらい経った頃のことでした。警戒心が強くて、なかなか家に入れてくれなかったんです。そこから同棲生活を経て結婚したのは2011年の6月23日。カトちゃんが68歳、私が23歳の時です。ちなみに私の父は37歳、母は44歳、母方の祖母はカトちゃんと同い年でした。(笑)

家族に反対される場面はまったくなかったです。当時、母が「子どもを育てるだけが幸せじゃないんだよ」とか言ってて、よく意味がわからなかったんですよ。でも今ならわかります。私が孫の顔を見せてあげられないかもって悩まないよう、先回りしてくれていたんだなって。とにかく家族みんなが心から祝福してくれました。