どうやって「墓じまい」する?

墓があまりに遠いというのでは、親にもしものことがあった時に困りますし、自分たちも死後に家族を戸惑わせることになります。

そういう人は、早い段階で「墓じまい」、つまり、お墓の「改葬」をしておいたほうがいいでしょう。

「墓じまい」をするには、墓地埋葬法に基づいて行政手続きをしなくてはなりません。

遺骨の移転先の受け入れ証明書と、墓の改葬許可申請書、埋葬証明書を、現在の墓を管轄している自治体に提出し、改葬許可を得ます。墓石の撤去や整地は、一般的に1平方メートル10万円程度からといわれています。

お墓を移す先が決まったら、古い墓の魂を抜く供養をしてお布施を払います。墓が菩提(ぼだい)寺にある場合は、檀家を離れるための「離檀料」が必要となります。離檀料の相場は3~10万円程度。新しく移った先にも、納骨料などを支払います。

「墓じまい」は、やったことがない人がほとんどなので、手続きで戸惑うことも多くあります。自分でやるのが大変なら、20万円から40万円で一律料金で代行してくれる業者もいます。ネットなどで、実績のある業者を選ぶといいでしょう。

『老後の心配はおやめなさい――親と自分の「生活戦略」』(荻原博子/新潮社)