間もなくやってくる大掃除のシーズンを前に気が重い方も多いのでは。片づけを始めとした家事に振り回される理由は、家の環境にあるかもしれません。自然と家事が片づき、“ラク”がずっと続く仕組みの作り方を紹介した『婦人公論』2019年10月23日号の記事を今回再配信いたします(構成=山田真理)

「私って“家事上手”かも?」と勘違いするくらい

「散らかった部屋を片づけたいけれど、腰が重い」「家事の手間を省いてラクがしたい」と感じる場面は、年齢とともに増えてくるでしょう。じつは、ちょっとした家の環境整備で家事の負担は減らすことができます。

そのヒントは意外にも、自動車メーカーの生産システムにありました。工場で作業時の移動距離を短くし、道具も手にとりやすく配置したところ、ミスが減り、生産効率が格段に上がったそうなのです。

私は結婚当初、「専業主婦の母と同じように家事をしなければ」と思い込んでいました。でも仕事との両立は難しく、次第に家は散らかっていきました。そんな時、この工場の仕組みを知り、試しにキッチンの引き出し1段分を整理してみたのです。すると、「私って“家事上手”かも?」と勘違いするくらい作業がスムースになりました。

掃除や片づけが苦手でも、家の環境を1ヵ所ずつ整えることは、決して難しくありません。自然な「流れ」のなかで家事をこなせると、時間や気持ちにも余裕が生まれてきます。