売るほうがまだハードルが低い

まずは、空き家を手放すか、所有し続けて利用するか、を決断することが第一歩。きょうだいがいる場合は相談の場を設けましょう。手放す合意を得たら、次は、売る、貸すといった活用法を考える。すぐには決められないので、年末までに、などと期限を決め、その間に情報収集をします。

インターネットなどで地元の不動産会社を探し、不動産売買の状況や相場を調べる。私どものような空き家問題の解決サービスを提供する団体に相談するのも一案です。

なお、基本的には、人口減少が進む郊外や田舎など住宅需要が少ない地域では、賃貸に出しても借り手がつきにくく、売るほうがまだハードルが低いといえます

いよいよ“売る”と決断したら、不動産会社に売却を依頼することになります。不動産会社がないエリアや、人口が減っている地域では、自治体が「空き家バンク」を設けているケースも。ネット上に物件情報を公開し、所有者と購入希望者を結びつけるマッチング制度で、登録しておくと便利でしょう。

ただ、人口が少ない地域ほど、不動産会社などに任せっきりでは売れません。荒れた家屋を買おうという人はいませんから、庭の草を刈り、室内を掃除し、きれいな状態を自分で撮影して掲載してもらうなど、売るための努力が必要です。

なお、一般的に古い家屋なら、更地にしたほうが高く早く売れます。しかし解体費用が発生し、固定資産税も高くなるので、買い手がついてから解体する“更地渡し”の契約にするなど、事前のリサーチと準備をしてリスクを避けましょう。

田舎の場合、「庭つき戸建てがたった300万円!」といった現実にショックを受ける人も少なくありません。ですが、買い手がついたら売るべきだと私はアドバイスしています。

今後ますます供給過多になり需要は減りますから。親の財産を処分するのは子どもの役目です。空き家問題を、あなたの子どもの代まで持ち越さないようにしましょう。

 


実家の問題、プロが解決!

【1】ひとり暮らしの母が、転倒して自活が困難に…
【2】実家は誰も住んでいません。田舎なので今売っても損しそう
【3】実家にひきこもりの兄。両親が亡くなったら誰が面倒を?
【4】別居している親を振り込め詐欺や架空請求詐欺から守るには?