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現在独占配信中のひかりTVオリジナルドラマ『湯あがりスケッチ』は、ノスタルジックな東京の銭湯を舞台に、悩みを抱える女性たちの姿を描いたオリジナルドラマ。主人公・穂波のモデルは『銭湯図解』の著者、塩谷歩波さん。物語は、設計事務所を経て銭湯で働き、その魅力をイラストで伝えてきた塩谷さんのこれまでの人生を原案としています。塩谷さんと、穂波の働く銭湯の常連客を演じる俳優の森崎ウィンさんが、ドラマと銭湯の魅力を語ってくれました。(撮影◎本社・中島正晶)
ミャンマーのお風呂事情は
塩谷 :森崎さんが着ているのは、劇中の衣装なんですよね。私の働いていた高円寺の小杉湯という銭湯には、こういう服装のお客さんがよく来るので、びっくりしました。特にリアルなのがサンダル。近所の方ほど、冬でもサンダルで銭湯に来るので、忠実だなって。(笑)
森崎 :よかった~(笑)。僕が演じている熊谷はドラマオリジナルのキャラクターですが、さすがは中川監督。ちゃんと塩谷さんの実体験を盛り込んでいる。塩谷さんは週何回くらい銭湯に行かれるんですか?
塩谷 :週7、いや8回かな(笑)。番頭として働いていた高円寺の小杉湯に入ってから、他の銭湯に行くこともありました。
森崎 :すごいな(笑)。僕はお湯に長時間入っているのが苦手なので、銭湯はあまり行ったことがなくて。
塩谷 :お生まれがミャンマーなんですよね。ミャンマーの方から現地のお風呂事情を聞く機会があったんですが、お湯につかる文化はないんですよね。
森崎 :はい、基本的にシャワーです。暖かい国なんで、お湯につかったらのぼせちゃう。高級ホテルなどにはサウナや温水プールはあるんですけどね。逆に日本の銭湯の水風呂とかは受け入れられるかもしれないですね。
塩谷 :番頭をしていた頃は、海外のお客さんに接する機会がけっこうありました。今は、観光の一つとして銭湯を訪れる人も増えています。あたたかい国だったら、炭酸泉とかが伝わったら面白そう。
森崎 :面白いと思います。国軍がクーデターを起こしてから1年、ミャンマーは今も大変な状況にありますが、それが落ち着いたとき、そういうものが伝わったらいいなと思います。異なる文化を知っているからこそ、それを自分やほかの場所に伝えることができる……。銭湯はそんな文化交流のきっかけの一つにもなりえますね。