実はセンター試験とたいして変わらない

共通テストは2日間、国語、地歴・公民、数学、理科、外国語の6教科30科目で行われ、マークシート方式です。共通テスト終了後に国公立大学をはじめとして多くの大学で試験が行われるため、大学入試シーズンの到来を告げるものです。

2月刊行予定の日野田直彦さんの著書『東大よりも世界に近い学校(予)』(TAC出版)

共通テストの問題は、「大学入試改革」を踏まえてセンター試験とは出題傾向が変わっています。

これまでの入試では知識の量で勝負するものや、数学のように、解き方を暗記すれば解答できるような問題が多く出題されていました。

しかし、先の見えない時代、正解のないグローバルな時代に世界を担う人材を育成するためには、問題を発見したり、協力して解決する力が必要になるので、知識ばかりを求めるのではなく、思考力や発想力を問う出題が必要となったのです。

共通テストの解答方法はマークシート方式のみですが、思考力や表現力と呼ばれるものを評価できるように問題に工夫が見られます。

問題文の分量が増え、日常生活や授業中に課題や問題を発見し解決方法を考えたり、資料やデータをもとに考えさせるなど、学習過程を意識した問題が増えました。そのため、「難化した」「過去問にないので対応できない」「平均点が下がる」という声が上がりました。

とはいえ、共通テストもマークシート方式で、知識を中心に思考する、答えが決まった問題なので、極論すればこれまでのセンター試験と大差ないのです。

厳しいことを言うようですが、こういった問題に対応できないのであれば、日々の授業で日常生活に即した話をしたり、「これってどういうことだろう」「これが理解できるとこういうことができる」というようなことを伝えずに、一方通行的に知識を伝授するトークしかできない先生に問題がある、と思わざるを得ません。