日本の生理用品は相対的に高額

大吉 そこが驚きだったんですよ。

根拠はないのですが、ぼくは「困っている人には無料で配られるものだろう」と思っていました。駅のトイレにトイレットペーパーが備え付けられるのと同じなのではないかと。

被災地に届けられる物資のなかに、生理用品があるというニュースも聞いたことがあります。

高尾 そうですね、ただ被災地についてはその数が十分ではないこともあったようです。駅など公共の場にナプキンが置いてあることもありますが、これは有料です。

生理用品は嗜好品ではなく、生活必需品。生理用品が買えないから、生理期間中は大学に行けない、バイトも休むしかないとなると、生理だけでなく生活自体が行き詰まったり、ますます困窮したりといったことが起きます。

『ぼくたちが知っておきたい生理のこと』(著:博多大吉、高尾美穂/辰巳出版)

日本の生理用品は質が高いといわれていて、そのぶん相対的に高額です。それを1日何回か交換する。

ショーツ型は履き心地が本当によくて、特別に多いときだけでなく生理中ずっと着けていたいぐらいですが、1枚が170円ぐらいするとなると、そうそう使えないと思います。

自治体や学校がナプキンを無料配布するなど、生理の貧困をなくすための動きが報告されはじめています。

理想は、選択肢があることですが、最初から個人に合わせて品質のよい生理用品を届けるのはむずかしいかもしれません。好みもありますからね。

けれど生理用品がないことで生活や人生の選択肢が狭まるようなことはあってはならないと思います。

いわばトイレットペーパーと同じようにできるだけすみやかに、できるだけ広く、生理用品を行き渡らせることができる社会であってほしいですね。