山口 僕が帝劇の思い出を語るには、お客様や共演者の皆さんと一緒に山荘に3泊4日こもらないと難しいかな(笑)。ただ、110年を超える歴史を持つ劇場が2025年をもって一度クローズし、新しく生まれ変わる。今は「新しい帝劇ができるんだったら、ぜひその劇場を覗いてみたい」という気持ちでいます。

宏規さんと喋っている時、宏規さんはいつも未来の話をしますよね? 一方の僕は過去の話をする。そんななか「リニューアルした帝劇で、また一緒にやりたいね」と話せることが嬉しいです。

三浦 祐さんにそんなふうに言っていただけるなんて、本当に夢のようです。リニューアルした帝国劇場でご一緒できるように頑張ります!

僕が初めて帝劇に足を踏み入れたのは17年。一観客として『レ・ミゼラブル』を観たのですが、あまりの感動に魂が震えて、涙が止まらなかったんです。それで「絶対に受からないだろうけどオーディションを受けてみよう」と挑戦し、今があります。

僕が味わった感動を今度は僕が与える側になるわけですから、あの時の思いを忘れず気を引き締めて臨もうと思っています。

山口 いいですね。帝劇が建て替えられて、新しくなった劇場のこけら落としに一体どの作品がリストアップされるんだろう、そこに登場するのは誰なんだろう。そんなことを考えながら待つのも楽しそうです。