自慢のバイクを3台手放して(写真提供:photo AC)

趣味のバイクを手放して

ユキさん(46歳・食品会社勤務・仮名=以下同)の夫(73歳・会計事務所経営)は、若い頃からクラシック・バイクが趣味。週末のツーリングはもちろん、夜中まで整備に夢中になることもあった。手塩にかけてきた自慢のバイクは5台。ところが今年、自ら2台を知人にあげ、1台を売却したという。

「あれほど大事にしていた趣味だったのにと、ビックリしました。バイクの部品は1つ数百円程度で、ガソリン代も車に比べたら安い。生活に支障が出るほどの維持費ではないんです。むしろ趣味を縮小したら、夫のストレスがたまる気がして心配でした。

夫は『整備に費やす体力がなくなってきた。それに、自分の年齢を考えて夫婦の時間をもっと大事にしたいと思ったんだ。バイクはお金があればまた買えるけど、時間は絶対に買えないから』って」

お互いに独身を貫いてきたユキさんたちが、知人を介して出会ったのは5年前。ピュアでゆったりとした交際を2年続けて、ようやく結婚。そのときユキさん43歳、夫は70歳になっていた。

「結婚を決意したのは、2人に『できれば、子どもがほしい』という気持ちが芽生えたのが一番の理由です。本格的に妊活するには、ギリギリの年齢。

それに夫は私の母と同い年なんですね。常日頃から、地方在住の母と会えるのはあと何回だろう、と考えては寂しくなっていただけに、彼との『残された時間』がとてもリアルに感じられて……。1分でも長く一緒に過ごしたかった」