人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第22回は、「眼瞼下垂」です。
(取材・文/松井宏夫 医学ジャーナリスト)
この記事の目次
〈症状〉見えにくい状態がさまざまな不調に
〈原因〉先天性と後天性が。加齢も一つの原因 〈治療〉基本は手術。原因により方法に違いが 〈予防〉筋肉に負担をかけないことが大事

〈症状〉見えにくい状態がさまざまな不調に

眼瞼下垂(がんけんかすい)は、名前が病気の症状をそのまま表現しています。「眼瞼」とはまぶたのことで、「下垂」とは垂れ下がること。つまり、上まぶたを開けようとしても開かない状態です。

黒目の部分が半分、もしくはそれ以上まぶたに隠れてしまっているのが特徴で、そのため、「物がよく見えない」「テレビが見えづらい」「視野が狭い」「車の運転がしづらい」などと患者さんは訴えます。左右両まぶたに起きる場合と、片側だけの場合とがあります。

まぶたが開きづらくなると、額の筋肉を使って上げようとします。

額の筋肉は後頭部までつながっているため、この動きが原因で「頭痛」「肩こり」などの症状が起きる場合も。多くの患者さんの額には、くっきりとしたシワが入っています。

図:まぶたの構造