「頼りにしてもどうやら大丈夫らしい」と認められて
そうしてコツコツと仕事をしていくと、
「ハイハイ、もうよくわかりました」
ようやく神様が根負けしてくれたように、小説新潮新人賞選考委員(1995年選考より)、日本ホラー小説大賞選考委員(1995年選考より)など、次々といろいろな賞の選考委員に就任することになっていったのです。
「頼りにされない」というのが悩みでしたが、「頼りにしてもどうやら大丈夫らしい」とついに認められ始めたようでした。
ちなみに作家がライバルともなりうる作家を評価するという仕組みは、違う世界の人から見るととても奇異に感じられるようです。
ある歌手の方から、「ミュージシャンの世界なら、井上陽水さんやユーミンさんが選ぶようなものですよね。ちょっと想像出来ないです」と言われ、なるほど、と思いました。
嫉妬せずに「ああ、これはすごい」とちゃんと評価出来る人でないと選考委員は出来ない。そういう意味で、選考委員となる作家とは、自身がちゃんと売れて評価されていることも必要だといえるかもしれません。