今後、部屋は借りられるのか
実は、投資用に不動産は持っています。でも、自分が住む家を買う気はありませんでした。購入してしまうと、その物件や土地に縛られるからです。設備が古びたら自分で取り替えないといけません。維持補修にお金がかかります。固定資産税も毎年払わなくてはいけません。
マンションならば管理費や修繕積立金がかかるし、区分所有なので他の住民と管理組合を作り、「みんなで」物事を決めなくてはいけません。一戸建てなら自分で全てを決められますが、その分メンテナンスも、自分だけでお金を工面し、実施しなくてはいけません。屋根や外壁、水回りなどの修繕を、計画だてて、実施する必要があります。でないと家は傷むからです。そもそも、東京では金額的に一戸建てには手が届きません。
つまり、購入してしまうと、縛られる上に、手間とお金が掛かるのです。だから、修繕も税金も大家に任せられる賃貸の方が得だし楽だと思っていました。自分の好きなように内装を変えられる購入物件への未練はありましたが、買うにしてもまだまだ先、「人生最後から二番目の家」まで取っておこうと、ぐっと我慢してきました。ちなみに、人生最後の家とは、健康寿命が尽きたあとに入る病院か施設になります。その前に住む家が、自分で選べる最後の家、「人生最後から二番目の家」です。
ところが、です。ふっと気付くと、私はもう57歳。フリーの記者・編集者で、どの組織にも属していません。個人事業主ですが、見方によっては「無職」。売り上げがなければ収入はありません。事業収入はあっても不安定・不定期のうえ、恥ずかしながら、ごく少額です。独身で、夫もいない、子供もない。
「会社員でもない、定期収入もない、夫もいない、子供もいない」と、「ない、ない」づくし。世間的には、「女・単身・低収入」の三重苦。この三重苦だと、果たして今後、部屋は借りられるのでしょうか。借りられたとして、借り続けられるんでしょうか。借り続けるとして、何歳まで財力がもつのでしょうか。