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かつて女性の辛さは「女三界に家無し」と表現されました。しかし現代、「本当に住む家が買えない、借りられない」という危機的状況に直面するケースも増えています。そして男女雇用機会均等法で社会に出た女性たちが、会社勤めをしていればそろそろ一斉に定年を迎える時期に…。雇均法世代である筆者は57歳、夫なし、子なし。フリーの記者・編集者。個人事業主ではあるが、見方によっては「無職」。ずっと賃貸派だった彼女が、60歳を目前に「家を買おう」と思い立ち、右往左往するリアルタイムを、心情とともに綴ります。

前回「民間賃貸で大丈夫?(下)~75歳まで大丈夫とプロが太鼓判、ただし賃貸市場はコロナ後、供給減で薄商い」はこちら

まずは、物件探しです

70歳や80歳になった時のことが不安で始めた「住まいチャレンジ」。すでにお伝えした通り、民間賃貸が意外にまだまだいけそう(75歳まで借りられそう)、それも厳しくなったら、最後は(狭き門とはいえ)UR(旧公団)もあるぞ、と分かって安心しました。でも一方で、むらむらと、無謀な挑戦への欲求が湧いてきちゃいました。だって、これが「きっと最後の恋」(by欧陽菲菲)ならぬ、最後の購入になるのです。遅ればせながら、いまさらの「老いらくの」購入ですが。アラ還独身フリーランス女は、中古マンションを買うことができるのでしょうか? 無謀なチャレンジと思いながらも、当たって砕けろ、業者にアタックしてみることにしました。

まずは、物件探しです。スーモやアットホーム、ホームズなどの不動産ポータルサイトのほか、三井のリハウスや東急リバブルといった大手不動産仲介業者のホームページを開くと、多くの物件情報が掲載されています。ふつうの消費者が探しやすいよう、市区町村名や沿線・駅名と、予算、広さなどから物件を探せます。まずは土地勘・価格感を養うことから始めました。希望する私鉄沿線の駅で、予算と広さを指定して検索します。

例えば、今回私が探したのは、以下のような条件です。お試しなので、予算は適当です。このくらいの価格なら無理なく買えるかな~?という、当てずっぽうです。賃貸を借りるとして、家賃10万円のところに20年住んだら計2400万円払うことになりますから、それと同じくらいと想定しました(でも、この購入価格の算出法は正しくありませんから、参考にしないでください。年収などを元にした正しい予算の出し方はいずれご紹介します)。

駅:首都圏の私鉄A線沿線B駅、C駅
予算:~2000万円
広さ:45平米~

この条件で買えるのならば、この際、古くても、駅から遠くてもいいや、と思いました。
果たして――あるものですね。ちゃんとヒットしました。

・物件1 890万円、46平米、2LDK、東南向き、1972年築、B駅からバス23分徒歩5分
・物件2 1380万円、54平米、3DK、南向き、1978年築、C駅からバス14分徒歩3分
・物件3 1490万円、54平米、2LDK、南向き、1978年築、C駅からバス10分徒歩1分
・物件4 1990万円、48平米、LDK、南東向き、1974年築、2023年リフォーム後引き渡し、B駅からバス16分徒歩2分