「安い理由」の種明かし

そして私は、5を案内してくれたベテランのイケメン不動産マンT氏に、今後の物件探しは一任することにしました。融資をつけてくれないと私の物件購入は始まらないのですから、当たり前なのですが。銀行融資がつくのなら、T氏の会社を通して買います、頑張って物件を見つけましょうね、と話していたのですが、――ここで、想定内と想定外、二つの足踏みが始まったのでした。それは、……(以下の顛末は、次回に続きます)。

ところで、前述の「安い理由」の種明かしをしましょう。不動産に慣れた方ならば、ご推察でしょう。一つは、5、6とも、地上権(借地)の物件だったからです。旧法地上権なので、借地人に有利で、自動更新できます。実際には永久貸与に近いです。地主から突然明け渡しを求められ、建物を壊さなくてはいけなくなる可能性は低いです。それでも所有権とは違うので、金融機関の融資がおりにくいそうなのです。

地上権の直近の契約終了期限までしか返済期間が設定できず(例えば現契約の満了が2030年ならば、返済期間はわずか7年)、融資総額が低くなってしまうこともあるそうです。となると、現金で購入できる人以外はなかなか買えません。ローンがつきにくい=買える人が限られる=需要が少ないため、価格が安く抑えられているのです。

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さらに、これまで挙げた1~6すべてが、やはり銀行の融資がつきにくい「旧耐震」の建物でした。宮城県沖地震(1978年)を受けて建築基準法は改正され、より厳しい基準の「新耐震」が、1981年6月に施行されました。それ以前に建てられた「旧耐震」の建物は、関東大震災級の地震に見舞われた場合、損傷するかもしれません。もちろん、旧耐震がすべて危険なわけではありません。

耐震補強工事をしていれば安心でしょう。壁式構造(柱と梁の間に鉄筋コンクリートの構造壁がある団地型の建物)は構造的に耐震性に優れており、基準をクリアしていればフラット35という住宅ローン(全期間固定金利)の対象になります。さらに「耐震基準適合証明書」が取得できれば、旧耐震でも住宅ローン控除も受けられます。つまり旧耐震のマンションを買う場合、フラット35が使える物件かどうかが一つの判断基準になります(旧耐震でも融資してくれる金融機関は皆無ではないでしょうが、やはり審査は厳しく、融資額が少なくなるかもしれないそうです)。

※次は「住宅ローンの壁~中古マンション恐怖の法則、安いなら古い、古いならローンがつかない、でも古いほうが立地が良い」をお届けします。