ノートの1ページめに書いた願望は「ハシビロコウを見に行く」……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の60代の方からのお便り。ある日ラジオで聞いた話をきっかけに、願望をノートに書き出すことに。早速「ハシビロコウを見に行く」という願望を実行したそうで――。

ワクワク・ノート

いつも就寝時にラジオをつけている。先日ウトウトしていると、ある料理研究家の声が聞こえてきた。夫を亡くし、毎日泣いて暮らしていた彼女に、息子さんが1冊のノートを持ってきた。「行ってみたいところややってみたいことを100個書いて。僕たちが全部叶えてあげる」と。

父を失い悲しんでいるにもかかわらず母を気遣ってくれて、このままでは申し訳ないと感じた彼女は、100のリストを考え始めた。すると、心が次第に前向きになったそうだ。

この話を聞いて、私も願望をノートに書いてみようと思った。翌日、ノートの1ページ目に「ハシビロコウを見に行く」。テレビの映像ではなく、目の前で動くこの鳥を見てみたい。

今までの私は「Aさんの個展を見に行きたいな。Bさんのコンサートに行こうかな。でもまた今度でいいか」といった調子だった。よく考えてみると、70代を目前にした私は、行動を起こすしかないはず。