【保険】リスクと必要性で見直す
がんなどの病気の罹患率が高まるのは、60代以降。潤沢な貯金があれば、病気になっても貯金で賄えるので民間保険に入る必要はありません。ただ、心もとない場合は、医療保険を解約するのは考えものです。
「高額療養費制度があるから大丈夫」という意見もありますが、実際に入院すると、食事代や差額ベッド代、生活必需品の購入など医療費以外の出費があります。
生命保険文化センターの調査によると、高額療養費制度を利用しても、1度の入院で平均約20万円の自己負担が発生するそう。いざ病気になった時、入院保障があれば安心できます。
年金生活に入ったら、現在加入している保険の内容を確認し、どんな保障がついていて、何が不要かを再検討しましょう。ポイントは、今後起こりうるリスクが高く、高額な費用が発生する病気がカバーされているか否かです。
たとえば、がん保険。2人に1人ががんになる時代ですから、がん保険も多種多様。高額になりがちな自由診療の「抗がん剤治療」がカバーされていなければ、単体でがん治療保険に入ることも検討しては? ある会社では、「抗がん剤治療」と「先進医療」だけの契約だと、65歳の女性でも月1600円ほどの保険料で、抗がん剤治療を受けると1ヵ月で10万~20万円が支給されます。
入院保障をつけると保険料はぐんと高くなりますが、他の医療保険に入っていれば、入院費用はカバーできる。上手に組み合わせると保険料を抑えられます。
将来の介護資金が心配なら、民間の介護保険がありますが、65歳前後から入ると、保険料が高額になりがち。認知症保険ならば、65歳でも月1000円台からありますから、一度検討してみてもいいかもしれません。
自分が亡くなった後のことが心配なおひとり様には、死亡保険金で葬儀を行ってくれる葬儀保険があります。死後の葬儀を請け負う民間サービスを頼んでおく手もありますが、費用はかなり高額。一方、葬儀保険なら、60~70代の保険料は月1000~2000円台で、家族葬くらいはできます。
年を重ねると削減候補になるのが死亡保険。ただ、銀行預金より金利が高く元本割れしないものなら、貯金として活用する手も。わが家は夫婦で加入していて、一方が亡くなったら、もう一方は死亡保険金をもらって介護施設に入居する予定です。