左から、成田さん、前田さん、岡本さん、高橋さん。撮影中も自然に息の合った位置取りで、それぞれのポーズを決めて(写真撮影:初沢亜利)

1988年にデビューし、数年間の活動期間で音楽ファンに強烈な印象を残して活動を休止した男闘呼組。30年ぶりの再結成は大きな話題を呼び、2023年4月28日から、『男闘呼組2023 THE LAST LIVE』をスタートさせた。後編では『音楽の日2022』の舞台裏、そして最後となるライブツアーへの思いについて語っていただいた。

(構成◎上田恵子 撮影◎初沢亜利)

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ひとつ間違ったら実現できないかもしれない

2022年7月16日、男闘呼組はTBSの音楽番組『音楽の日2022』で29年ぶりに電撃復活を果たした。番組では「TIME ZONE」「DAYBREAK」、そして成田が率いるバンド・成田商事の楽曲「パズル」を披露。その反響はすさまじく、SNSのタイムラインは「男闘呼組」という文字で埋め尽くされた。

高橋 昭次の行方がわからなかった間も、僕らにはファンの人たちの声が届いていたんですよね。「昭次くん、今どこにいるんでしょうか?」「もう一度、昭次くんと歌ってください」「昭次くんに会いたい」という。そのたびに心の中で「そりゃあ俺だって会いたいけど!」と返して。そういう思いも引き受けながら、徐々に再結成の話を進めていった。

岡本 うんうん。

高橋 「ひとつ間違ったら実現できないかもしれない」という怖さがありました。それくらい再結成は難しいことだったんです。本当に慎重に物事を運ばないと、ここまで少しずつ積み上げてきたものが台無しになる可能性だってあったから。

岡本 もう一度男闘呼組をやろうと決めてから、皆でスケジュールを合わせて何回かスタジオに入って練習するわけです、『音楽の日2022』に向けて。その時もお互いに、「絶対にバレないようにしような! 絶対に言っちゃダメだぞ!」って言い合って。

前田 言いたくて仕方なかった。よく我慢できたなって自分を褒めたいです。(笑)

岡本 本当に危なかった。この2人(前田と高橋)には「酒飲みながらSNSとか絶対にするなよ」って釘を刺してね。(笑)

前田 練習してるスタジオで、知り合いのミュージシャンに会っちゃったり。

岡本 そう!「あれっ、なんで男闘呼組がいるの!?」「いやーちょっと遊びで……」なんて言ってごまかしてた。

前田 放送の翌日、いや当日の夜かな? コンサートのチケットを発売したんだけど、その時点で「もうチケットが取れません」ってなってたよね。本当に、ものすごい反響をいただきました。

岡本 ありがたかったですね。僕らが男闘呼組としてテレビに出ていたのはほんの2年くらいだったのに、ずっと覚えていてくれて。当時は週に4~5本の音楽番組があったから、2年間という短い期間でも存在が浸透したのかな。