(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第46回は「大階段のジンクス」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

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宝塚の大階段

大きな階段があると、まだ下を見ないで降りられるかをつい試してみたくなります。

よし、大丈夫。
何が大丈夫なのかよくわからない確認をとりあえずしてみます。

宝塚の大階段。
「だいかいだん」ではなく、「おおかいだん」と呼びます。
フィナーレに登場し、群舞や、トップコンビのデュエットダンス、
全員が降りてくるパレードなど、華やかで一番宝塚らしい場面です。
私は大階段で踊る黒燕尾の群舞が大好きでした。

宝塚の象徴でもある大階段は、どんな仕組みになっているかご存じですか?

初めて大劇場にお目見えしたのは、
1927年に上演された、日本最初のレビュー「モン・パリ」だそうです。
そんな昔から宝塚の大階段はあったようです。

当時は手動で組み立てていたのでしょうが、
今は自動制御によって約140秒で設置されます。
普段は舞台奥の壁面に立て掛けるような形で収納されていて、
自動でせり出す仕組みになっています。