寂しさを感じて新しい風が吹く

――2.5世帯になるというキッカケがなかったら、雅治はこのままいつまでも変わらなかったかもしれないですね。

新しい家に雅治が初めて足を踏み入れるシーンでは、どこか居心地が悪そうなんですけど、実際、僕も演じていて、改築前の家のほうが、居心地が良かったんです(笑)。居間でテレビを観ているとなんとなく家族が集まってきて、「これはこれで幸せだな」という感じで。

2.5世帯住宅では、自室は廊下の突き当たりに追いやられていて。長い廊下に、扉は閉まっていて。雅治には、結構、こたえるだろうなって思いました。

でも、そうやって寂しさを感じることで彼の中に新しい風が吹いて、「このままじゃダメかも」という気持ちが生まれたのかもしれないです。

 

雅治の姪はわけあって学校へ行きたくない、甥は保育園に行きたくないという状況だ。

――ある意味、雅治の存在が彼らの逃げ場所になってたりするのかもしれないですね。人によっては「学校に行かないなんてありえない。行きなさい!」と頭ごなしに怒られかねないけど、この家では、うしろを振り返ると一日中ゲームをやって自由に生きてるおじさんがいるわけで(笑)。前向きに言えばですけど、反面教師にもなっていて(笑)。

「今は多様性の時代だよ?世の中にはいろんな人がいるからね」とかふてぶてしく言う雅治に、「おまえが言うな」とツッコミたくなるんですけど、なんだか憎めないキャラで。そんなセリフがちりばめられているところにも、沖田さんの優しい世界観が表れていると思いました。

また甥っ子の蓮を演じている子役の加藤矢紘くんが、本当に自由で面白かったですね。たまにちょっと飽きてくると、自由にしゃべりすぎて沖田さんをあたふたさせて、沖田さんが喜んでましたね(笑)。

蓮に家庭の中心にいてもらって、みんなが慌てたり、追いかけたり、抱き上げたり。この家族のあり方を想像できたというのは大きかったですね。