(撮影◎本社・奥西義和)
高価だったり、思い出があったりで、なかなか手放せない着物。袖を通す機会もなく、タンスに眠らせている人は多いようです。それならば、服や小物など日常づかいできるお気に入りに生まれ変わらせてみてはいかがでしょうか(構成◎菊地杏子 撮影◎本社・奥西義和)

はじめにすること

(1)下準備

着物の布端で試し洗いをしてみましょう。着物や帯は、洗うと縮んだり、色落ちしたり、素材によっては質感が変わってしまうこともあります。激しく色落ちするものは衣類のリメイクに適しません。

 

(2)着物、帯をほどく

●着物

衿(えり)、掛け衿、袖を外してから裾をほどき、次におくみを外し、脇、背の中心、外した袖をほどいていきます。糸を引っ張ると生地を傷める原因になるので、リッパーや先の細い糸切りばさみを使って縫い糸を切り、布に馴染んでいる糸を目打ちで抜いていきましょう。
※袷(あわせ)の場合は裏布も外す

《着物の各パーツ名称》

●帯

着物と同様にリッパーや先の細い糸切りばさみで、袋状に縫ってある袋帯は端からほどき、中から帯芯を取り出します。

 

(3)手洗いする

中性洗剤を少量入れた水にほどいた布を浸し、洗剤が染み込むように押し洗いします。水を替えて3回ほどすすぎ、手でよく絞ったら、洗濯機で3分ほど脱水。中温でアイロンをかけてシワをのばし、平らに広げて陰干しします。色落ちが止まらない場合、クエン酸を入れて再度洗うと、ある程度の色止め効果が期待できますが、リメイク後の洗濯はしばらく単独洗いがおすすめです。

※袷の場合、表の着物地と裏布(八掛〈はっかけ〉、胴裏)は別々に洗う

 

(4)作りはじめる前に

どこの部分かわからなくなるのを防ぐため、マスキングテープなどにパーツ名を書いて貼っておくといいでしょう。