母を見送った後、遺品の整理に取りかかったが……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
インターネットやスマホアプリを使った個人売買が盛んな昨今。放置している不用品を売ったら、いくらかになるかしらと考えている方も多いのでは?けれど、お金に換えることばかりが《得》ではないようで……

遺品整理で高値がついたのは

千葉県在住の中村美紀さん(50歳・仮名=以下同)は、九州にあった実家の土地と建物を4年前に売却した。その1年ほど前から、母親が高齢者施設に入居したので、月に何度か実家に戻って家の中を片づけていたのだそう。

「母を見送った後、遺品の整理に取りかかりました。加賀友禅などの着物はかなり高額で購入したと聞いていたのですが、何軒かの買取業者に査定してもらったところ二束三文で。書画や骨董もほとんど値がつかず、がっかりしました」(中村さん。以下同)

いくつかあったシャネルの革のバッグも、期待していたほどの値がつかなかったとか。「だったらバッグは、修理して使おうと思いました」。

革製品の修理専門店で、シミや擦れによる色落ち、傷などもきれいに修理してもらい、新品のように生まれ変わった。

「母が50~60代の頃に大事に使っていたものだから、思い出も多くて。費用はかかったけれど、手放さなくてよかったと思っています」