勝負の世界の厳しさを感じた

照ノ富士と朝乃山にド根性の四つ相撲バトルを期待した。対戦は2年ぶりで、朝乃山は照ノ富士に5連敗している。私は、朝乃山はどうやって照ノ富士の廻しを取るかとかいろいろ考えて、前日の夜から当日の午前4時まで眠れなくなった。照ノ富士と朝乃山の取組について考え、眠れなくなっている大相撲ファンは日本に何人くらい存在したのだろうか?

結果は、朝乃山が前に出て照ノ富士を後退させたものの、照ノ富士に小手投げをうたれ、一気に土俵に転がされた。ドスンと音がするような転がされ方だった。花道を帰る朝乃山の肘が、強烈な小手投げによって赤くなっていて、勝負の世界の厳しさを感じた。

心配した大関・貴景勝は13日目に勝ち越して、カド番を脱した。14日目の貴景勝は、新関脇・若元春の顔を張って気迫をみせたが、押し倒しで負けてしまった。
若元春は10勝4敗、関脇・豊昇龍も2勝は不戦勝だが10勝4敗。

最高に気になる関脇は、全力の突き押しをするのに、土俵際で逆転されてバッタリ倒れる大栄翔。9勝5敗だ。先場所、優勝をかけた本割と決定戦で、突き押しで全力前進したのに、霧馬山に土俵際で突き落とされた。ほかの力士にもこの負け方をする。見ていて気の毒でしかたがない。大栄翔が所属する追手風部屋には今場所途中休場したが美相撲を取る前頭2枚目・遠藤、根性で動き回る前頭3枚目・翔猿、前頭11枚目・大翔鵬、前頭15枚目・剣翔桃太郎(名前が良いので桃太郎も入れてみた)がいる。師匠と有識者、そして同部屋の幕内力士もまじえて「大栄翔の土俵際対策研究会」を発足し、「土俵際でバッタリ倒れない、押しきって勝つ大栄翔相撲」を研究して完成させ、大関昇進を実現してほしい。