「2階のガラスに映るから。それに合わせて、けん制を」(川口)
──篠塚さん、土のグラウンドの内野守備は難しかったですか。
篠塚 球場にもよるね。甲子園とナゴヤ球場はきれいだったから、そんなに大変でもなかったけど、広島市民球場は、かなりデコボコだったな。
川口 ビジターが苦労するから、わざとしていたというウワサもありましたね。でも、外野の芝もデコボコだったんですよ。佐々岡真司(1990年の新人王右腕。前広島監督)がランニングしてると、必ず2回くらい穴に足をとられ、グキッとさせていました。あいつ体、硬いんです(笑)。
定岡 でも、そういうグラウンドのほうが野手の適応力が磨かれる気はするね。とっさの反射的な動きとか。実際、カープはそういう反応がいい選手がいたしな。
篠塚 市民球場でよく覚えているのは、走者が出ると、投手がいつも上を見ていたことです。
川口 そうでした! 球場の2階のガラスに走者とショート、セカンドの動きが映るから。それに合わせて、けん制をピッと投げていたんですよ。
定岡 え、そうだったの! 俺はそんなの知らなかったな。
川口 分かっていたら、もっとカープに勝っていたんじゃないですか。
定岡 シノ、知ってたら教えてよ(笑)。