経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「〈同一労働同一賃金〉の広がりに期待!」です(イラスト:さかがわ成美)

「同一労働同一賃金」の広がりに期待!

パートの待遇改善の切り札となりそうなのが、「同一労働同一賃金」です。

総合スーパー「イオン」などを展開する「イオンリテール」は、パート社員の待遇を改善し、仕事内容が同じ正社員と待遇を同等にする制度を始めました。

対象は、月120時間以上働き、「リーダー」などの売り場責任者を務めるパート社員。年1回の昇格試験に合格すると、自宅から通える店舗で働く地域限定正社員との格差がなくなります。

具体的には、これまで正社員にだけ支給されていた退職金や賞与、子育て支援の手当てなどが支給されるほか、時給も上がるので、年収で見たら約2割アップする人もいます。昨年秋に行われた試験では、88人がチャレンジし、42人が合格しました。

イオンリテールでは、各店舗に配置した売り場責任者1万1000人のうち、約1割がパート社員。それだけに、戦力となる優秀な人材をできるだけ引き止めておくためにも、待遇改善に前向きに取り組んでいるのです。

「同一労働同一賃金」は、2018年に「働き方改革関連法」に盛り込まれ、20年4月に施行されました。中小企業については、1年遅れの21年4月からの適用となっています。