開かずの扉

ううう。
わたしは、エアコンと電気を消しカーテンと窓を開け、枕を整え、タオルケットをたたみ、コンセントを抜き、まだ片付けたいが、ぐっと我慢し、ネコと一緒に娘の部屋を出て、ドアを閉める。

開かずの扉。この部屋の存在を忘れるのだ。

娘の部屋の「開かずの扉」

夜、駅で習い事終わりの娘と待ち合わせをする。「ママ!」と、急ぎ足で走ってくる娘は、日本一可愛い。わたし達は、肩を組みながら駅の裏を歩く。

「部屋、片付けなさいよ」
と、わたしが言うと
「うん、今日やる!」
と、答える。

可愛い。きっと、嘘だけど。

青木さんの連載「50歳、おんな、今日のところは「●●」として」一覧

●2023年11月、東京・本多劇場で上演される舞台『リムジン』に出演予定