「リアル・テラスハウス」

説明会が開かれた物件は、私鉄ターミナル駅から急行で約25分、駅から徒歩約8分と手頃な立地です。かつて社員寮だった物件を建物ごと買い取ってフルリノベーションしたような造りでした。

1階、北向き9平米の個室で、家賃は4万6000円、管理費7000円(ほかに水道光熱費13200円、総計月66200円)。説明会の参加者は、私ともう一人。アラサーらしい、しっかりした雰囲気の、ストレートな黒髪がきれいな女性でした。説明してくれたのは、シェアハウスの運営会社の男性社員S氏(推定年齢33歳)でした。

S氏はまず、シェアハウスの仕組みと長所について説明してくれました。個室は約10平米と比較的コンパクトですが、そのぶん充実した共用部分があり、キッチンや風呂、トイレなどは共用です。バルミューダのトースターや、デロンギのコーヒーメーカーなど、最新流行の家電や調理器具、洗濯機も完備されています。実家を初めて出る人にはありがたいことに、ベッド一つで入居しても、翌日からご飯を作ったり洗濯をしたりできます。個室の掃除は自己責任ですが、風呂やトイレ、台所も含めて共用部はプロの清掃業者がほぼ毎日清掃に入るそうで、家事に時間を割かれずに済むのはホテル同様のメリットです。共用部の電気代や清掃代は、毎月払う光熱水道費や管理費に含まれています。

物件によっては共用部にリモートワークが出来るワークルームがあったり、バーやカフェ、シアタールームなどを併設していたりするとか。住民同士の交流を楽しめる物件、というのが売りで、「リアル・テラスハウス」といったところです。外国人が多く住んでいる物件では、多国籍の国際交流ができるそうです。

とはいえ、他人との交流が面倒な人もいます。少し金額は高くなりますが、個室に水回り(ミニキッチン、バス、洗面、トイレ)がある物件を選べば、他の人との交流はしたい時だけで、あとは部屋に籠もることもできます、との説明でした。仲間だけで住むシェアハウスと、隣人が何者かまったく知らない普通のワンルームマンションの中間的な位置づけでしょうか。もちろん住民票も移せるし、郵便物も個別のポストに届きます。