「管理を買え」の意味

ちなみに、「管理を買え」の意味から、私は、分譲マンションを買うなら、新築よりも築浅中古のほうが良いと思っています。管理組合は最初の立ち上げが大変だからです。

また、マンションを内見する時には、管理組合の管理態勢の善し悪し・グレードを、独自の基準でチェックしています。エレベーターの更新、鉄部の塗装、外壁のクラック(ひび割れ)補修と塗り直し、ベランダの防水加工、そしてゴミ置き場の整理整頓状況です。鉄部や外壁など建物の状態を見れば、管理組合全体で話し合って決めているか、修繕すべき部分がきちんと適宜、リフォームされているかが、目に見えて分かります。それらは管理組合の運営がうまくいっているかどうかを反映しています。

ゴミ置き場は、住民の「質」を如実に示します。自分たちの建物に愛着を持っている住民が多く住んでいる物件は、たとえ古くなっていてもゴミ置き場の使い方がきれいなのです。きちんと整頓され、清潔です。一方、分譲賃貸部分が多いなどで、物件への愛着の少ない、共有意識の低い居住者が多いマンションのゴミ置き場は、どれだけ管理人が整理整頓・清掃していたとしても、すぐに乱れ、汚れてしまうものです。そういう物件は、いずれ分譲賃貸の住民のルールなどが問題になりかねません。すると、管理を巡って、投資用物件のオーナーと、実住で住んでいる区分所有者とが、管理組合でもめることが予想できます。面倒なだけです。

かくして、Z駅近くの物件を諦めた私ですが、その後も、この連載を書きながら、地道に物件を見てきました。老後、病院や施設に入る前段階である「元気な高齢期」をどこでどう過ごすか、ガチで、「終の棲家」探しをしてきました。でも、なかなか、これといった物件には出合えていません。まるで結婚相手探しみたいです。

出会いは奇跡です。世の中にこれだけ不動産はたくさんあるのに、運命の家、自分にぴったり合う、気に入る部屋なんて、そうそうないのです。(世の独身たちが、良い相手がいない、出会えない、と嘆くのと同じですね、苦笑)