生活の基盤は家

そう。生活の基盤は家なのです。そして、私のような単身女性は、その基盤を、自力でなんとかしなくてはいけません。親が残してくれたものもなく、夫や子が買ってくれるわけでもない。ならば、自分で考えて自分で工夫して、どうにかするしかないのです。

ところで。最近、都内のマンション価格がてっぺんをつけた(天井に届いた)気配があります。投資用物件で、かつては3%台しかなかった23区内での利回りが、5%を超える物件が出始めました(賃貸相場は急激に上下しないので、つまりはオーナーチェンジ物件の売り出し金額が下がり始めたということ)。「そろそろピークアウトで、取引価格が下がり始めるのではないか。後で振り返れば今年がピークだった、となるのではないか」といった不動産コンサルタントの分析もあると聞きました。

ですから、マンションを既に持っていて、老後用に買い換えを検討中の友人には、こうアドバイスしようと思います。「ピークの今のうちに売り先行で売っちゃって、まずは利益確定しておいたほうがいいよ。買う方はこれから下がるだろうから、2年くらいシェアハウスか賃貸に住んで(荷物はトランクルームに預けて)、しばらく下がるのを待ちながら物件を探して、良い家が見つかったら即、今のマンションを売ったお金で、最強の“現金買い”をしたらいいよ」。ただし、定年前で初めて購入する会社員の女友達には、こう言いたいです。「会社員のうちにローンを組んだほうがいいから、下がるのを待つより、すぐ購入物件を探し始めたほうがいいよ」

――と、ひとのことなら明確にアドバイスできるんですけれどね、苦笑。アラ還・フリーランス・独身・子なし女・元沢の、老後の家探しの右往左往の旅は、いままだ、しばらく続くのでした。ちゃんちゃん。長期にわたり、ご愛読ありがとうございました!

 (おわり)

◆本連載が書籍化され3月8日に発売されました