【トラブルの種2】手伝わないのに口ばかり出す

主介護者の負担が増えているとき、遠方のきょうだいから余計な口出しをされたら、不愉快になるのは当然です。さらに厄介なことに、親は久しぶりに会う子どもには元気な様子を見せようとするもの。するときょうだいは、「心配するほどボケていないじゃないか」と介護者を悩ませるのです。

しかし離れて暮らすきょうだいとしても、介護に参加できないもどかしさや寂しさから、せめて役立つアドバイスをしたいと考えているのかもしれません。心配の裏返しで、「相談もなく勝手なことをして」と苛立つ気持ちもあるでしょう。

そうした気持ちのすれ違いを防ぐには、やはり日ごろからのコミュニケーションが大事。前述した費用のメモに加えて、「今日お母さんはどんな様子だった」「何を食べた」など介護日記をつけて共有することもおすすめです。また、介護保険制度は非常に複雑で、知識がないと家族でもめがち。そのため、自治体が作成した冊子や関連書籍を読み、家族みんなが制度について学んでおくことが必要です。

もし家族での話し合いや情報共有に非協力的な場合は、「家族だから」という期待を捨ててあきらめる。そうやって割り切ることも、長い介護生活には必要かもしれません。

また、きょうだいに親を介護してもらっている人は、時々ねぎらいの言葉をかけてあげてください。毎日先の見えない不安と闘っているわけですから、寄り添う気持ちが大切です。どうしても介護に参加できない場合は、口は出さずに金銭面で支援をする。その2つの心がけで、良好な関係を保てるはずです。