たとえば、トーストにチーズをのせる、サラダにハムを加える、ラーメンに煮卵を追加する、そばは鴨南蛮にする、などの方法です。さらに、おやつにヨーグルトを食べる、コーヒーに牛乳を入れてカフェオレにするなど、それだけでもたんぱく質の底上げになります。

たんぱく質を摂る際に、もうひとつ重要なことがあります。それは、動物性食品と植物性食品を組み合わせ、バランスよく食べること。厚生労働省の平成29年「国民健康・栄養調査」の結果によると、たんぱく質の食品群別摂取構成は、年齢が高くなるほど肉類からの摂取割合が低く、魚介類や豆類からの摂取割合が高い傾向にあります。

「たんぱく質なら何でもいいのでは?」と思うかもしれませんが、そうではありません。たんぱく質とはアミノ酸の集合体で、食品によりアミノ酸のバランス(アミノ酸スコア)が異なります。なかでも魚、肉、卵、乳製品、大豆製品は、穀類や野菜と比べ、体内での利用効率がよい良質なたんぱく質。これらをまんべんなく食べる必要があるのです。

また、それぞれの食材に含まれる「たんぱく質以外の栄養素」も重要です。肉には鉄分やビタミン類、魚にはDHAやEPA、乳製品にはカルシウムなどの栄養素も含まれています。魚ばかり食べていれば、肉から摂れるはずの栄養素が足りなくなり、逆もまた然り。「粗食がいい」と植物性食品しか食べなければ、肉や魚、卵、乳製品などから摂れるはずの栄養素が不足します。

たんぱく質をしっかり摂るためには、バラエティ豊かでバランスのよい食事が不可欠。調理が面倒なら、簡単にちょい足しできるたんぱく質を上手に利用し、栄養バランスを整えましょう。
 

たんぱく質を“ちょい足し”できるお役立ちフード

【図参照】