長寿のためには、粗食がいいのか、肉をしっかり食べたほうがいいのか……。年齢に応じた栄養摂取のコツがあるようです。(イラスト=ラジカル鈴木 構成=島田ゆかり)

「朝食は菓子パンだけ」ではダメ!

「年を取ったら、胃に負担のかからないヘルシーなメニューがいい」という「粗食派」と、「たんぱく質は重要だから、肉も魚もしっかり食べています」という「肉食派」。中高年にとって正しい食事はどちらだと思いますか? 実は、たんぱく質をしっかり摂る食事がおすすめです。

健康のためにはたんぱく質が不可欠。たんぱく質が不足すると「フレイル」、つまり心身の活力が低下し、要介護状態に陥りやすくなります。また、筋肉量の減少、骨粗しょう症、変形性関節症に起因するロコモティブシンドローム(運動器症候群)にも影響がでることも。

さらに、年を重ねるにしたがって摂取する栄養素が足りなくなると、自身の筋肉に蓄えられているたんぱく質を分解して不足分を補う「分解力」が高くなってしまいます。これらを予防するためにも、日ごろからたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。

しかし、たんぱく質は調理が必要なものも多く、面倒なことから、つい「朝食は菓子パンだけ」「お昼はお蕎麦をゆでただけ」といった簡単な食事で済ませてしまいがち。夜に肉や魚を食べたとしても、これでは1日に必要なたんぱく質は足りていないのです。では、どのように食べればよいのでしょうか。

 

たんぱく質は毎食ちょい足し習慣を

1日に必要なたんぱく質の量は、自分の体重(kg)と同じグラム数が目安。体重が50㎏なら、1日に摂るべきたんぱく質は50gです。魚や肉はたんぱく質含有量が多く、100gあたり約20gのたんぱく質が摂取できます。卵は1個で約6g。これらを足していき、自分に必要な量のたんぱく質を摂るようにしましょう。

望ましいのは毎日食べることですが、2~3日で調整しても構いません。「昨日はたんぱく質をあまり食べなかったな」と思ったら、次の日は多めに食べるといった具合です。さらに、計算が面倒な場合は“ちょい足し”の習慣がおすすめ。

【図参照】

1日に必要なたんぱく質(イラスト:ラジカル鈴木)