デジタル教育も変化、
AIとのつきあい方は

AIを使いこなすためには、まずは国語力が必要ですし、自分なりの仮説を立てる力や想像力が重要です

竹内そして今やAI時代。加速度的に進化してきたAI技術とのつきあい方を、これからは考えなければなりません。

西村VR(バーチャルリアリティ)、メタバースなどと日々新しい言葉を耳にします。今の学校ではタブレットでの授業も当たり前。竹内さんは、デジタル教育に力を入れた学校をつくったとうかがいました。

竹内僕は、AI時代に対応するための新しい教育が必要になると考えて、2016年、日本語、英語、プログラミング言語に特化した学校を立ち上げました。2045年にはコンピューターが人間の知能を超えると予測されているので、将来、子どもたちには、AIに使われるのではなく、AIを開発して使いこなすプログラミングのスキルが必要だと考えたんです。一方、モニターにかじりついてばかりだと体を動かさないことの弊害がありますから、ブラジル発祥の柔術やロードバイクなど、体育系の授業も取り入れています。デジタルの時代だからこそ、自然と触れ合い、心身ともにバランスの取れた人間力を育みたいと思っているんです。

西村素晴らしいですね。最近はどんな授業をなさっていますか。

竹内「チャットGPT」という誰でも使える対話型AIをいかに活用するかといったことを、今年から授業に取り入れています。これまでは子どもたちがすべてプログラミングしていたのに、今はチャットGPTがあっという間に答えを導いてくれる。でも、そこで重要になってくるのは、やはりAIを使いこなすための力。対話型AIは論理的な文章で指示しないと正しい答えを返してこないので、まずは国語力が必要ですし、自分なりの仮説を立てる力や想像力が重要なんです。

西村理系の知識だけでなく、国語力も必要なのですね。娘はロボットと暮らす未来に興味があるようなので、早速伝えたいと思います。

竹内子どもたちには、初めからAIの答えに頼るのではなく、まずは自分で考えて未来を想像してほしい。それを検証する手段としてAIを使ってほしいと思います。