多種多様な資格取得にチャレンジし、夢は120歳まで生きることと話す西村知美さん。学び続ける理由やデジタル時代に求められる教育など、さまざまな関心事について語ってくれました

資格を取り始めた
きっかけは

竹内西村さんは、たくさんの資格を取得なさっているとうかがいました。いくつぐらいお持ちなのですか?

西村今は55個ぐらいでしょうか。多すぎて自分でもわからなくなってしまいます。(笑)

竹内「手話技能検定」「薬膳セラピー」「終活ガイド」「花火鑑賞士」「上級救命技能認定証」「16㎜映写機操作」……、福祉や癒やし系から機械系まで、ジャンルが多岐にわたっていますね。

西村取りたい資格を選ぶときには、基準があるんです。1つ目は、自分が好きなこと。2つ目は、苦手だけれど挑戦したいこと。3つ目は、将来役に立つと思えること。どれかにあてはまればチャレンジしてみる。もともと温泉やコーヒーが好きだったので、「温泉健康指導士」や「コーヒードリップアドバイザー」になるために勉強しました。すると楽しさも倍増して、趣味の世界が広がったんです。今では温泉に入る前に成分表を確認するのも楽しいですし、数値から効能がわかるので、家族の健康状態に合わせて温泉旅行を計画したりしています。コーヒーについては、豆の特徴はもちろん、保存期間や焙煎時間によって酸味が変わるなどの知識が増えたので、いろいろな味わい方ができるようになりました。

竹内同じ豆でも味に違いが出るんですね。それだけでいつものコーヒータイムが楽しくなりそうです。あえて苦手なことにも挑戦なさったとか。

西村「1級小型船舶操縦士」や「小型車両系建設機械免許」などは苦手なジャンルでしたが、勇気を出して挑戦したことで自信につながりました。私がデビューしたのは14歳のとき。芸能界一筋で走り続け、ほかの世界を知らずに20歳になって、ふと不安を感じたんです。このままでは厳しいこの世界でやっていけないかもしれないと。だからこそ苦手なことも学んで、自信をつけたいと思ったのが、資格取得のきっかけだったんです。

竹内資格取得が自信につながり、そして視野が広がったのですね。とくに印象的な体験はありますか?

西村「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」では、実地研修のなかでいろいろなことを学びました。人手不足で大変な介護士さんや、自立を目指してつらいリハビリに励む利用者さんの姿などに触れ、介護職の大切な役割を知りました。さらに、超高齢社会の今、健康寿命を延ばすことも大事だなと気づいて。その気づきから、私には新たな目標が生まれたんです。それは、自分が健康で長生きし、90歳で“人生アドバイザー”になること。アドバイザーといっても何か助言するのではなく、困っている方のお話を聞いて、気持ちに寄り添う存在になりたい。そして、ダブル還暦、つまり120歳まで生きるのが夢です。

竹内それは夢ではないかもしれません。医学は日々進歩していますし、学び続けることは、長生きによい影響がありますからね。好奇心を持ち続けていることは、本当に素晴らしいです。