労働時間半分で年収は200万円アップ

あんじゅ 真逆とも言えるIT業界から見れば、斜陽産業だと言われちゃうのかもしれないですけれども……。私は内定を蹴って大学職員に就職したのですが、いろいろな人から「逆転満塁ホームランだね」と言われたことが印象的でした。ああ確かに、女子の就職先という意味では、公務員っぽくて安定しているイメージがあったのでしょうね。

倉部 実際、公務員と併願する方も多いと思います。とくに地方の国公立大学の中に、併願先が地元の市役所とか県庁職員というケースがあるようです。他方、母校愛から職員になったケースは、私立大学の皆さんに多い。

あんじゅ 私が大学職員を辞める時は、逆に家族から「ふざけんな」みたいな。お母さんが泣き叫ぶ修羅場に(笑)。事後報告だったんですけど。

倉部 その親心はわからなくもありませんが(笑)。僕は大学職員に転職して、年収が200万円上がったんですよ。しかも労働時間が半分になった。「明るいうちに退社していいなんて! スーパーがまだ開いているじゃん!! ボーナスという噂でしか聞いたことないものもあるらしい!!!」(笑)。

ちなみにIT企業の唯一の同期は、ゴールデンウィーク前に失踪しましたね……そういう業界から転職してきたので、なんと素晴らしい、人間らしい暮らしがここにある、と感激したものです。

あんじゅ 帝京はタイムカードがちゃんとあってサービス残業がなかったし、恵まれた職場でした。そういう良かった部分は、やめた後にわかったということが多くて……。私は九年間ずっと同じキャンパスにいたようなものなので、すごく世間知らずだったなあと、フリーになってから思い知らされました。

<『大学職員のリアル-18歳人口激減で「人気職」はどうなる?』より>

大学職員に就職が決まった時に友人から言われたのが、「2ちゃんねる」の「楽な職業ランキング」みたいなもので、なんと「ニート」の次に大学職員がランクインしていたという驚愕の事実。「ニート」の次ですよ!