自覚症状がなかったとしても、「歯ブラシは『かため』でしっかりみがいている」人は、気づかないうちに歯や歯肉を傷つけているかもしれません。そのほか、歯の一番外側を覆うエナメル質は酸に触れると溶けやすい性質があるので、お酢やかんきつ類などの酸っぱい食べ物や飲み物を頻繁に摂る人は注意が必要。食べたあとは、必ず口をすすぎましょう。

人間は歯で食べ物を噛み砕くだけでなく、舌やあご、唇、頬など口全体を使って食事をします。チェックリストの「食後にあごが疲れる」「食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまう」が当てはまる場合、口まわりの筋肉の衰え=噛む力の低下が進んでいる可能性も。

また、舌のケアが不十分だと、付着した(細菌などの汚れ)が口臭や誤嚥性肺炎の原因になることがあります。ガーゼを巻いた指や、専用のブラシを使用して、定期的に舌の表面を掃除しましょう。

マスク生活の影響で舌やあごの筋肉がゆるみ、チェックリストの「気がつくと、口をぽかんとあけて息をしている」「口の中が乾きやすい」といった症状を抱える人が増えているのも心配です。

当てはまる項目が多い人はトラブルが進行している可能性もあるので、歯科医院でのチェックをおすすめします。今のところ問題なしという人も、この機会に毎日のケア方法を見直しましょう。

 

適切なケア+プロのチェックで歯を守る

日々、患者さんと接していると、昔の知識のまま口の手入れを行っている人が少なくありません。たとえば、「研磨剤が入っているから歯みがき剤は使わない」という人がいますが、最近の歯みがき剤は歯を傷つけない処方になっており、着色汚れをやさしく浮かせて落とすことができます。

また、虫歯菌や歯周病菌から歯を守るフッ化物を高濃度で配合する歯みがき剤が開発されるなど、進化しているのです。この後、お手入れの新常識をご紹介しますので、参考にしてください。

なお、日々の歯みがきだけでは取りきれない汚れもあるので、3ヵ月~半年に一度は歯科検診を受ける習慣を。丁寧なセルフケア+定期的なプロのチェックが口の健康を維持するための第一歩です。