(イラスト:渡邉美里)
マスク生活が続いたここ数年で、口の中のお手入れがおろそかになり、トラブルを抱えて歯科医院を訪れる人が増えています。口腔環境の悪化は、全身の疾患を引き起こすことも明らかに。まずは鏡で歯や舌をチェックして、口の中の状態を知ることからはじめましょう(構成=浦上泰栄 イラスト=渡邉美里)

噛む力が落ちると健康寿命も短くなる

「オーラルフレイル」という言葉をご存じでしょうか。オーラルは口、フレイルは虚弱のこと。加齢によって歯や舌、粘膜や筋肉が衰え、口の機能が低下すると、しっかり噛めない、食べこぼす、むせやすい、口の中が乾くなどの症状が表れ、それが全身の老化につながるという考え方です。

今、医療現場では「口の力」の重要性が見直されていて、自分の歯で十分に噛んで食べることができると、認知症や動脈硬化などの病気を遠ざけ、死亡リスクや要介護リスクを減らせるといわれています。

なかでも、健康的に年を重ねるためには噛む力の維持が欠かせません。最近、コロナ禍の影響で歯科医院から足が遠のいていた人が、虫歯の痛みや歯がグラグラするなどの症状を訴えて久しぶりに来院するケースが増えています。みなさんはどうでしょうか。次のページのリストで、口の中の状態をチェックしてみてください。

 

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