消費税の引き上げ

国家財政の立て直しを始めていた橋本龍太郎首相は、1997年4月、消費税を3%から5%に引き上げました。これによりさらに景気は冷え込みました。

バブル崩壊により、土地を担保に大量の資金を借りていた不動産業者は経営に行き詰まり、次々に倒産しました。貸していたお金を返してもらえなくなった銀行は多額の不良債権を抱えました。銀行の経営が急速に悪化し、続々と破綻を迎えました。

官僚たちも数年で異動してしまいます。つまり誰も責任をとる人がいない(写真:本社写真部)

1997年11月3日、三洋証券が経営破綻しました。負債総額は3736億円でした。大量のディーラーを採用し、体育館のように巨大なディーリングルームを作った途端、バブルが弾けてしまったのです。

同月17日、北海道拓殖銀行が破綻しました。北海道のリゾート開発会社に膨大な融資をしていたことが主な原因です。このリゾート地は現在、「星野リゾート トマム」となっています。

そして同月24日、四大証券会社のひとつ山一(やまいち)證券が自主廃業を発表しました。当時の社長が記者会見で「社員は悪くありませんから」と泣き伏したさまはバブル崩壊を象徴する光景として記憶されています。

経営状態が悪化していたばかりでなく、2600億円もの借金を隠していたことも判明しました。損失隠しをした人たちはさっさと辞めていました。何も知らなかった人が社長に据えられ、責任をとらされることになったのです。

さらに宮城県仙台市の地方銀行だった徳陽シティ銀行も破綻しました。