写真を拡大 裏の山にそのまま繋がっているイトウの水槽(C)2015〜2023 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら

奥飛騨の「森の水族館」

時々仕事で飛騨高山へ行くことがある。

国道158号線で松本から高山へと車を走らせるといつも気になるのが奥飛騨の「森の水族館」という看板。昨年の7月、初めて立ち寄ることにした。

「匠の館」という古民家資料館の庭に存在感抜群の烏骨鶏やかわいいアヒルが放し飼いされていて、その奥に水族館(水車小屋)があった。

有料の水族館では国内最小級というが、三年前に千葉県銚子市にできた「世界一ちっちゃな水族館」といい勝負だろうか。

外観は間違いなくこちらの方が小さい。

写真を拡大 烏骨鶏(手前)、鶏、アヒルなどが放飼いされている庭の奥にある当館(C)2015〜2023 George Nobechi