(写真提供◎photoAC)
放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さん。自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する連載です。第42回は「婦人科を卒業します! 前編」です。

改めて身体のケアをしよう

「山田さんの弟さんのことを聞かなければ出さないのだけれど、聞いたからには、ちょっと怖いので……」

2022年の暮れ、友人の紹介で初めて行ったクリニックの女性医師はこう言って、血圧を下げるために用いる【アムロジピン】を処方してくれました。
不妊治療のため約10年にわたって婦人科通いをしていたことは、これまで何度か書かせていただきました。それを終えたのは46歳のとき。以来、私は約20年にわたり、ほとんど病院通いをしていませんでした。

人間ドックや健康診断をしたのは1~2回だったように記憶します。脳ドックは2回行きましたが、2回目、医師から「あと3年は来なくて大丈夫」とお墨付きをもらい、結局3年経っても3回目に行っていません。

理由は、ウィークポイントの婦人科系以外は健康そのものだったからです。婦人科系も不妊治療を終え、更年期もそれほど辛くなく、ホルモンバランスが崩れたような実感もないまま、日々を過ごしていました。

夫がインフルエンザにかかっても、コロナのような症状(PCR検査では陰性)になったときでも私は全く伝染らなかったため、「ほんと元気だよね」と半ば呆れられています。
同年代の女友達からは「これだけ忙しいのに一度も倒れたことがないよね?」と度々驚かれ…。確かにこの何年も、寝込んだ記憶というのが全くないのです。
ゆえに“かかりつけ医”がいなかった私。66歳にもなって、それもどうかと思い、飲み仲間の年上女性に相談したところ、「もう20年以上お世話になっている」という上記のクリニックと医師を紹介してくれたのです。

まずは血液検査をしていただき、「人間ドックも、もう記憶がないぐらい前にやったきりなので、お願いします」と、同医師が週に数回出勤しているという総合病院で検査をお願いしました。そう思うことができたのは、今春から前泊で名古屋入りする出演の仕事がなくなったから。それを機に改めて身体のケアをしようと誓い、医師に不妊治療後の体調について色々話していたところ、実弟の話になりました。